高齢者ドライバーの父が脳梗塞に・・・さて運転免許はどうなる?
2017年2月、73歳の高齢者ドライバーである父親が脳梗塞になりました。リハビリを経て運転適性検査に合格し、ドライブを楽しむまでの回復記録をシェアします。
昨今のアクセルとブレーキの踏み間違え事故を懸念して、2022年に車を手放しました。
脳梗塞とは?
脳梗塞とは、「脳内の血管が血栓などにより閉塞され、その先の脳細胞に酸素などの栄養が届かないために正常な脳機能が損なわれてしまう状態」です。
症状としては、
- 言葉がうまく発音できない
- 手足が思うように動かせない、
- めまいなどがして倒れてしまう
がある。
診断までのいきさつは、言葉をうまく話せず階段が登れない様子を不思議に思った母が、タクシーで医者に連れて行ったら脳梗塞と判明してそのまま入院となったのです。
早期発見により1週間という比較的短期の入院で済み、現在はリハビリを経て回復しています。医師からの承認と運転試験場の適性検査に合格したことでドライバーとしての生活を取り戻しています。
原因は?
がん治療で有名な石原先生の著書によると
下半身の筋肉が衰退すると血液は上半身に上がってきます。下半身の筋肉の減少は活動の減少にもつながり、体温が下がります。しかも頭に血が上るという「足寒頭熱」の危険な状態になり、上半身に血液が多過ぎるために、脳梗塞や心筋梗塞など血の塊である「血栓」をつくるという病気を起こしやすくなります。
引用:石原結實著「空腹はなぜいいか?」
とのこと。
父は痩せ型で下半身は細く、高齢化とともに少ない筋肉がさらに減っていた。医師の話では「イモ類などの食べ過ぎも良くないので気をつけてください」と。食生活も一因であったように思います。
治療法は?
主に、点滴による血栓への治療と高濃度酸素療法(酸素カプセルのような室内に入って脳内に十分な酸素を取り込む治療)が行われました。
翌日には口がうまく動かせないものの、手足は動いて立ち上がれていました。入院中は口を動かすリハビリにも取り組み、退院するまでには会話ができるようにまりました。
退院してから2週間までは、話し言葉が遅くて動きも以前とは違う印象が残りました。本人も「思うように力が入らない」と言ってました。
リハビリは、椅子からの立ち上がりを毎日200回です。単調なので続くのか心配ですが、
- 苦しくなったらすぐに休める、
- 自宅で出来る
という安心感があるとのこと。
予防法は?
勉強した限りでは、やはり生活習慣が大切だということ。高齢になるとどうしても外出が億劫になりがちですが、あえて外出して下半身を動かすことです。
先述の石原先生の著書には「食事の量を減らすことで白血球が本来の働きをするようになって、血液もキレイになる」ともありました。一読をおすすめします。
脳梗塞になると運転免許は返上?
自動車保険の契約書を確認したら、支払対象外の病名に「脳梗塞」は含まれないものの「後遺症の残るような病気」という文言がありました。
該当する病気をした場合は、
- 医師による承認
- 適性検査に合格すること
の2つが万が一の場合の保険適用の条件になります。運転再開への大きな壁となりますが、リハビリを頑張って医師の承認得て検査に合格してください。
事故を起こせば、「移動が大変だった」とか「運転をしたかった」では済まされません。
免許を返上するのかしないのか。回復には個人差があるので一概には言えません。とにかく、医師に安心して太鼓判を押してもらえるまで回復するしかありません。
脳梗塞発症から回復まで
発症から回復までのタイムラインを、体験談としてお伝えします。
発症からひと月半
下唇が分厚くなっていたのはおさまり、外見は以前と変わらなくなった。ただし話し方が、発症前に比べると明らかに遅い。
本人の話では「体力が回復しない、食事(栄養)制限によって力が出ない」とのこと。運動は朝晩の散歩をそれぞれ30分(約8000歩)。
医師の見解は「出来なくなっていることがまだ明確でない。承認するorしない、という判断材料が不足しているので承認はできない」です。
発症から2ヶ月
食事制限のためか、身体に力が入らず体力が衰えている様子。朝晩だった散歩も朝だけになった。「疲れるから」というのが理由らしいが、体力をつけるためにやっているので疲れるのは当たり前なのだけれど・・・それほど体力が落ちているのかと心配になる。
久しぶりに父を見た私の妻は、衰えを顕著に感じ取った様子で「散歩を続けるように」と強く進言していました。
発症から2ヶ月半
父も母も顔色がよく肌がツヤツヤになっていて驚いた。ほぼ砂糖なしの食事を2ヶ月ほど継続しているのですが、その効果がようやくいい方向にあらわれたよう。
血糖値が改善したことで薬が減って、身体が楽になったとニコニコしていました。栄養管理を任されている母は「いちいちキッチンスケールで測るから大変だよ」と笑顔で言う。
父は「手足は動くけど、口がうまく動かない」と。入院中に行っていた発音練習を継続するよう伝えました。
発症から3ヶ月
リハビリが順調に進んで口元のぎこちなさも解消。血液検査でも回復が確認できた。発症から4か月して、医師から運転の許可が降りました。
あとは運転試験場の適性検査に合格すれば保険適用となります。神奈川県の場合には、こちらの検査(神奈川県警HP)に合格する必要があります。
医師の診断書などを揃えて試験場へ。検査内容は、
- ハンドルを正確に回せるか
- 危険を認識してとっさの急ブレーキが出来るか
- 認知テスト
の3項目です。
ハンドルは試験官の指示に従って右に左にと回します。この時に、正確に素早く回せるかをチェックします。急ブレーキテストでは、ブレーキ合図からコンマ何秒で止まれるのかを計測します。
テスト前に何回か練習することができます。何回も「遅い!弱い!」と指摘を受け続けて繰り返し練習しました。おかげで本番では無事に合格できました。
認知テストは、数種類あるランプのどれが光ったのか素早くボタンを押します。繰り返しテストを行いましたが、間違えることなくクリアできたので認知機能に問題はありませんでした。
これで「医師の承認」と「免許試験場の適性検査の合格」がいただけたので、警察が発行する「運転を許可する通知」を受け取れば運転再開となります。
まとめ
脳梗塞を発症してしまった父が、検査に合格して運転を再開するまでのタイムラインをご紹介しました。もう運転はできないのでは?と心配しましたが、なんとか回復して運転を再開することができました。